意味のある加湿と無駄な加湿~濡れタオルの迷信

意味のある加湿と無駄な加湿~濡れタオルの迷信 未分類

今年もあと二カ月となった。
また、あの張り紙がステーションのホワイトボードに登場した。

11月11日は”ポッキーの日”らしいが
しばらく前から、”介護の日”にも制定されたらしい。

そして、この施設の11月11日は、介護福祉士の護(まもる)にとっては、”ため息の日”だ。

濡れタオルで加湿ってできるの?

濡れタオルで加湿ってできるの?

「本日より、夜勤巡回時に加湿用のタオルが渇いていたら、必ず、濡らして掛けてください!」

こんなことしてる施設、山ほどあるんだろうなぁ。
あと、洗面器に水張ったりとか、洗面所に水貯めたりとか・・・はぁ~。(ため息)

「やらないよりまし?」ふん、どうだか。
やっても同じってことだって、あるんだけど。

40%の湿度維持のために、毎時間どれだけの水分が空気中に必要か分かってんのかよ!!

ちなみにこの特養(特別養護老人ホーム)は、昔ながらの4人部屋だ。
広さは、約12畳程度だろうか。
部屋の入口付近の折りたたみ式テーブルの上には、加湿器がセットされている。
40人が食事をする食堂には、”ふんぱつして”2台置かれている。
どの加湿器も、黙々と白い蒸気を立ち上げている。

加湿量が350ml/h の、ごく普通の”6畳用”の加湿機だ。
室温が20度なら、せいぜい30%の湿度保持が限界だろう。

そして、各部屋には、濡れたバスタオルが1枚ずつ、カーテンレールに掛けられている。
いくつかの部屋のタオルは、水がぽたぽたと滴っている。
傍にはご丁寧に、水の入ったスプレーまで置かれている。
カーテンも、濡らすんだってさ。

で、、、湿度計は、、、もちろん、、、無い。。。
あれば、こんなことする訳ないか。ハハハ(苦笑)。

乾いては濡らし、濡らしては乾き、冬場のルーティンワークは続く。

護の頭の中には、去年と同じように、『無駄』と書かれたポスターが登場していた。

68ページを読んでみてね。
濡れタオルでは加湿効果が期待できないお話~多摩保健所

足りない湿度を、濡れタオルでなんとか出来ると思ってる施設は、全国にどれくらいあるんだろう?
いや、出来ない訳ではない。
ただ、このやり方では、ほとんど意味がないのだ。

ウィルス感染の予防対策

ウィルス感染の予防対策に、湿度の維持が重要なのは当たり前だが
根拠のない、無意味な作業を、どれだけ強いられるのか?

必要な加湿量の簡単計算表

新型コロナウィルスは、今までのウィルスの定義を破ってしまったが、基本的には、ウィルスは高温多湿な生存できなくなる。
低温低湿なほどウイルスは活躍する。

ノロやインフル等のウィルスは、温度22℃、湿度20%では60%以上が生存しているが、湿度50%になるとほとんど生存できなくなる。

通常、湿度40%程度から、インフルエンザウイルスの活動は収まると言われている。

なので、ほとんどの保健所では、45~50%の湿度を維持している。

話を戻そう。

フェイスタオルの保水量はどのくらい?

 

フェイスタオルの保水量はどのくらい?

フェイスタオルを濡らした時の保水量は約160g(cc,ml)

ただ、干しているだけなら、室温にもよるが、水分が無くなり乾くまで約6~7時間程度かかる。
つまり、1時間に大体25gの水分が空気中に放出されるわけだ。

扇風機で風をあてながらだと、一時間に約倍の50gの水分がタオルから蒸発していく。

20℃、20%の乾燥した4人部屋だとして、1時間あたり50g の水分量が加湿されたとしても、計算上、約4%しか相対湿度を上昇させることが出来ない。
しかも、これは、密閉された、空気の交流が無い場合の計算上の数値だ。

計算上は、扇風機の風があたるタオルが5枚あれば、4%x5枚=20%

7枚なら、50gx7枚=350g
つまり、加湿量:350ml/hという、 ごく普通の”6畳用”の加湿機と同等にはなる。
そして、3時間ごとにタオルは乾き、また濡らすことになる。

温度が上がるほど、空気は膨張するので、絶対湿度は増え、相対湿度は下がる。
おおよそだが、温度が10度上がると絶対湿度は約倍になり、相対湿度は10%下がる。

20度40%の湿度も、室温が25度に上がれば、30%程度になってしまう。

いずれにしても、
10部屋で合計5~70枚のタオルを濡らし、カーテンレールに掛けることを
3時間ごとに延延と繰り返すなら、湿度が40%になる可能性はある訳だ。

しかし、極論だが、その作業の結果が湿度39%なら、インフルエンザ対策には成り得ないというな話なのだ。

じゃあ、バスタオルだったら?
ああ、仕事の量は3分の1程度になるかもね。

乾燥した部屋の湿度を上げるために必要な加湿量の計算

だから、護は、心の中で呟くのだ。
「ちゃんとした加湿器、買おうよ」

この加湿器欲しい!!



何故、加湿が必要なの?

・空気中の水分が多いと、インフルエンザウイルスは浮遊することが出来なくなるからです。
・ウイルスはほこりと共に舞い上がり、人に感染しやすくなります。
・同時に、人の呼吸器粘膜が乾燥しないため、ウイルスに感染しにくくなります。

相対湿度と絶対湿度

相対湿度と絶対湿度

相対湿度

相対湿度とは、いわゆる「湿度」と呼ばれているものです。
その空気の中に含むことができる最大の水分量に対して、実際に含まれている水分の割合を”%”で表します。

電車なら【乗車率=混雑度】のようなものです。

絶対湿度

絶対湿度とは、その空気の中に含まれている水分量そのもの。
”g/kg”で表します。

電車なら【現在の乗車人数】のようなものです。

ちなみに、湿度の場合の【定員】は、温度になります。
温度が上がると、【定員】は増え、【乗車率=混雑度】、つまり相対湿度は下がります。

温度が上昇すると、絶対湿度は通常増加します。これは、温度が上がると、空気中の水蒸気がより多く保持できるようになるためです。具体的には、温かい空気はより多くの水蒸気を吸収でき、それによって絶対湿度が増加します。

例えば、同じ量の水蒸気が含まれている場合でも、温度が上昇するとその水蒸気はより広い範囲に均等に分散され、絶対湿度が高くなります。逆に、温度が下がると、同じ量の水蒸気がより少ない空気に含まれることになり、絶対湿度が低くなります。

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